マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
「イヤ、あの……せっかく本読んでるのに、やっぱりジャマしちゃ悪いかと思って…………」


キョロキョロ目線を泳がしている幹居は、まるでハムスターみたいなカワイさが。


本当の性格はドSなオレは、ちょっとした独占欲に包まれた。


「いいって別に。大丈夫だから」


少しだけ微笑むと、チョコチョコとこちらにやって来る幹居。


オレの右隣は、康生の席だ。


「康生、ちょっと席借りる」


まだ長峰と話していた康生に声をかけると、ヤツは驚いた様に少しだけ目を丸くしていた。


「あ……ああ。分かった」


「ホラよ、幹居」
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