マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
幹居が康生の席から離れて、自分の席に行く。


その途端遥玖と康生が戻って来て、周りの男達からの嫉妬の視線も止んだ。


「オイオイオイ、楓、お前等どうなってんだよ」


「?何が?」


「お前と幹居、最近仲良くなったよな。何?お前幹居にホレたの?」


遥玖の発言に、机に戻そうとしていた本をバサッと落とす。


オレは至って冷静に、本を拾い上げた。


チラリ。幹居を一瞬だけ見る。


「ねぇ紀右。今日数学当たるから教えて?」


「いいよーー」


幹居は楽しそうに、細石と話し込んでいた。


「さぁ……どうだかね」
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