マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
後ろから聞こえて来た控えめな声は、紛れもなく幹居の声。


「へっ……?」


ポカンと弁当箱を両手で持ってる幹居と目を合わすと、幹居はポッと頬を赤らめた。


「あの……寧央は桑村君と食べるし、弥紗は荒井君に誘われちゃって……ダメかなぁ?」


「なんで…オレ?」


「あっ、嫌……?嫌ならいいんだ、ごめんね」


申し訳なさそうな顔をした幹居は、オレから離れようとした。


オレは黙って数秒考える。


…………


まぁ……別にいっか、食っても。


「いいぜ幹居。また康生のイス借りろよ」


「えっ………いいの?」
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