鮮烈な赤に酔う
▼ひとつめ、出会う
自分が方向音痴だったっていうことを、忘れていたわけじゃない。
むしろ、その欠点を隠すために15分も余裕を持って家を出た。
要するに、自分・藤原葉月(ふじわら はづき)は、自覚していた以上に方向音痴だったということだ。
< 1 / 92 >
メニュー