鮮烈な赤に酔う
「ところで先輩、カフェに何用で?」
「昼食いに来たんだよ」
「存外可愛いところで食べるんですね」
「笑い堪えんな、誘われてんだよ」
「誰に」
「女」
さらり、と言った先輩。さっきHO☆MOだと思ってすいません。
いやでもそれ以上に、先輩がカフェで一人ご飯食べてるの想像したら吹いた。やべぇ。
「……っく、じゃあ先輩……っこんなところで油売ってないで早く行ったほうが……はっ、いいんじゃないですか……ははっ」
「あからさまに笑い堪えられてないからな」
「ぶぁっはっはぁっっwwwwww」
「派手に笑えばいいもんじゃねぇんだよ」
コントか、と的確なコメントが珊瑚から放たれたが、私たちには聞こえなかった。