鮮烈な赤に酔う
【Shinonome】
「遊びに行こうよぉ紅我くん」
「カラオケ行こーよ!」
「一緒に帰らない?」
う る せ え 。
確かに可愛い顔立ちをしたやつらだとは思う。
まぁ、ばっちりメイクで固めてんだろうが。
ただし、俺が珍しく教室にいるってだけでこのザマだ。
席についた途端、群がるように集まってくる女。
うっとおしいが、こじらせるとなお面倒だ。
「……てめぇら名前で呼ぶなっつっただろ。後、俺にはカノジョが出来たんだよ」
「でも……藤原サンは呼んでるじゃん? 東雲先輩、って」
「それから、彼女って河合先輩のことでしょ。今日発行の橘樹見聞に書いてあったよー? ……期間限定ってことも、ね」
「……クソが」
あの藤原の同級生がやってくれたみたいだな。
――――よし、シめる。
藤原をな!