鮮烈な赤に酔う
「……あの人、って、東雲先輩ですか?」
「それ意外に誰がいるっていうのかしら?」
陸奥さんが傲慢とも呼べる態度で言う。
なんやねん、あんた。女王様か、この学校しきっとんのか?!
……あぁ、しきってるんだった。
「……」
「……何か言ったらどうなの? 藤原葉月さん」
黙る私にイライラとしたようで、怒ったように聞いてくる。
「いや……陸奥さんたちみたいな綺麗な方なら、私なんかゴミ屑みたいなものだと思ってたので」
「はい?」
「いやだから、陸奥さんたちから見たら、わたしなんて先輩の足元に転がるゴミのような存在かと思ってたので」
「……」
「え? 私変なこと言いました?」
ひと時の静寂。
静かになっちゃったから、怒らせちゃったかと思ったよ。
陸奥さんをはじめとする生徒会のみなさんは、ぽかぁん、としている。
「あ、あのぅ……何かコメントいただきたいんですが」
「……変な子ね」
ぼそりと陸奥さんが言って、生徒会のメンバーに向かって言い放つ。
「興醒めよ。今日のところは帰るけど、『あの人』近づかないことね」
「えぇ……私的にはただのゴミなんで気にしないでいいと思うんですが……」
「お黙りなさい。あなたは十分魅力的だから敵視するのよ」
「は、はぁ……」
「それでは御機嫌よう」
なんだったんだこれは。
……っていうか地味に褒められちゃったよ!!
超嬉しいんですけど!