鮮烈な赤に酔う
「てっきり1、2発ははたかれる覚悟だったんですがね」
「陸奥たちなめねぇほうがいいぞ」
「え、リンチっすか?」
「3年男子がな」
「ええええ、怖ぁ」
「今日もあの扉の向こうにいたみたいだぜ?」
先輩が親指で指し示す。
なるほど。
「やはり男性だったんですね、どうりでゴツいと」
「……藤原、気配読めるのか」
「先輩もですよね。まあ一応できますよ。武術は粗方嗜んでるので」
「てめぇは、……やっぱりよくわかんねぇやつだな」
「お家があんなでかい若には、負けますがね」
ふふ、と笑って見せると先輩が罰が悪そうに頭を掻いた。
「おら、もう昼休み終わるぞ。戻れ」
「結構優等生ですね」
「あ? 俺はもどんねぇよ。サボり」
「デスヨネー」