鮮烈な赤に酔う
「最低最悪の女よ」
「なにそれ」
「文字通り、最低で最悪の女。中等部時代から有名すぎる女子生徒よ」
「ふぅん。その実態は!!」
「静かにしなさい! まず第一に、超男好き。狙ったら落とさないと気が済まない。
例え人の彼氏でもね」
ちらり、と真知に目を向ける。
キャラメルブラウンのカールが綺麗についた髪。
長いまつげに甘い匂いの香水。
自信の漲る瞳。
確かに可愛い顔だもんなぁ、とわけの分からない理由で納得する。
「第二に、自分より優れた人間ーーというか、女は許さない」
珊瑚が、じっとりとした目で私を見る。
「そう、例えば『並外れた頭脳』とか、『美貌』とか
ーーーー『今現在、唯一「あの人」を名前で呼べる』とかね」
「へぇ……」
と、流してから気づいた。
「もしかしなくても私かよ!」