鮮烈な赤に酔う
「私、真知と友達になってまだ24時間経ってないのに!
私そんなに恨まれることしたの?!」
「『真知がずうっと好きだった人を、卑怯な手で奪ったの!』
って真知からきいたけどな」
「卑怯な手ってなんだよ! まず好きな人って誰?!」
ちょ、待て待て待て。
全然流れがわからんぞ。
混乱している私を華麗にスルーして、
いかついお兄様方は、ドアの隙間から私を覗き込む。
「まぁ真知から『好きに懲らしめてやってよぅ!』って
頼まれたからな」
「真知ーっ?!」
好きに懲らしめるって何?
私完全にピンチだよね……リンチうけるの?
嫌だ!
「すみません、身に覚えないんで帰ってもらっていいですか」
「お前さぁ、真知に聞いてたより可愛いじゃん。
デブスって聞いてたから、リンチにしようかと思ってたけど
お前ならヤるのも悪くねーな」
「悪いに決まってるやろ」
上から目線だ。
それもなんか家の住所知られてるし
寝起きだし、顔厳ついし、声でかいし
何より貞操の危機だし。
ここは逃げるが勝ち!