鮮烈な赤に酔う
「くくく……! ちげぇよ、菖蒲が言ったのはそういうことじゃねぇ」
「じゃあどういうことですか」
むす、と仲間はずれにされた子供のような顔をする。
俺は藤原のまだ仄かに赤い耳に囁いた。
「ちんちくりんにはまだ早ぇよ」
藤原は、懲りずにまた体温を上げた。
天然記念物だなこいつ。
今までよく毒されてこなかったな。
どこぞのお嬢様なのか、藤原は。
にやにやと藤原を見ていると、顔に負けないくらい真っ赤な指先が目に入った。
「おい藤原、手は洗って行けよ。それじゃどう見ても殺人犯だ」
はい、と消え入りそうな声が聞こえた。