鮮烈な赤に酔う
しばらくして、東雲先輩のあの純和風の豪邸についた。
相変わらずすげぇ……あの瓦スケッチして帰りてぇ……。
「なにボケっとしてんだ、入るぞ」
「ういっす」
先輩がインターホンを鳴らすと、即座に門が開く。
男たちの野太い声とともに。
「「「お帰りなせえ! 若!」」」
「おう……佐助、今日の晩飯なんだ?」
「カニクリームコロッケっす」
「俺の大盛りな」
「うっす」
「桔梗、こいつ今日から1週間ほどウチで預るからてめぇに面倒任す」
「かしこまりました」
「頼むぞ」
門を抜ければ、一列に並んだ東雲組の皆さんがお出迎えしてくれました。
どうすればいいのかわからない私とは対照的に
道の真ん中を時々会話しながらずかずかと歩いていく先輩。
さすがに違うぜ、極道……。
「先輩カニクリームコロッケ好きなんだ……」
「酒の次にな」
「?!」