鮮烈な赤に酔う
「ぬわ……ぴったりすぎやしないですか」
下着のサイズを合わせてみて、誰がこれを選んだか想像して背筋が震えた。
どうか桔梗さんでありますように……。
*
「あぁ、俺だよ」
「やっぱりね! 絶対東雲先輩だと思いました! もうフラグだなって思いましたから!」
悪びれもせず東雲先輩がうなずく。
黙っておいてくれるとか、ちょっとは恥ずかしがるとかなんかないのか。
「まあ……これから成長するだろうから元気出せよ」
「……それサイズの話してます? ぶっ飛ばしますよ」
眉を寄せて先輩を見ると、余裕綽々の笑顔。
まだ濡れている毛先をするりと弄って、顔を寄せてくる。
「いいな、その反抗的な顔」
「変態ですか……離してくださいよ」
「目、そらすなっていっただろ? 本気で行くぜ、俺は」
いつかの出来事を思い出す。
風呂上りでかすかに熱を持った頬が、さらに赤くなったような心地がして東雲先輩から離れる。
なんで今日、こんなにくっついてくるのこの人!