ちょっと言い訳(3p)
横たわる人影
ちょっと、そんなに吠えないでよ。
(いったい、どうしたんだか)
茂みの奥を訝しげにのぞきこむと、君はちぎれんばかりに尻尾を振っている。
揺れる尻尾越しに見えたのは、
横たわる人影だった。
(うそっ、死体?)
背中が凍り付く。
思わず後ずさりする。
(どうしよう)
頭の中でスパークしそうなほどに思考が交錯する。
『ガサッ』
その人影がぴくりと動いた。
全ての思考がストップする。
次の瞬間、突然その人影は起きあがった。
「ご、ごめんなさい・・」
焦って、うろたえて、顔も見ずに云う。
(死体だなんて、誰が云ったのよ)
もう、恥ずかしいったらない。
それなのに君ときたら、馬鹿みたいに吠え続けているし。
(責任取りなさいよ)
首ひもをおもいっきり引っぱった。