『僕』が交した約束
「・・・・・・っ、」
「いいよ。
今はなさなくても、待つから」
俺の気持ちを視たのか
悟ったのか・・・
川下はそう言って講堂にある
白い椅子に座った
「・・・・・・ごめん」
「ここに呼んだってことは・・・
他に、何かあったんじゃない?
そっちから話してよ」
やっぱり、川下はさすがだ
俺の知ってる中で、最強
俺はピアノの前の椅子に座って
川下にピアノから出てきた
カノンの楽譜を渡した
「これ、ピアノの間から出てきた
楽譜だから・・・川下にかなって」
俺が渡した楽譜をじっと見て
川下は小さく首を振った
「カノンの曲は私の十八番。
カノンの曲を刹那に教えたの、私。
だから私じゃないと思う」