『僕』が交した約束
「・・・川下?ピアノ弾けるって・・・」
確か、言ってたような・・・
音のする方に車いすを進める
すると、講堂のような小さな場所に
着いた
「・・・誰だ?」
こっそりと覗くと・・・
俺と同じくらいの女の子が
ピアノの前に座ってカノンを
弾いていた
一瞬、彼女に見とれた
初めて聞く
ピアノのカノンの音
綺麗で、繊細で
壊れそうなほど透き通っている
しばらくの間聴いていると、
急に音が聞こえなくなった
「・・・ん?おわっ!!」
ピアノの方に視線を向けると、
弾いていた女の子がこっちを
じっと見ていた
というか、睨みつけていた