『僕』が交した約束
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
何も言わない女の子
その子は小さく呻いた後、
違う出口から講堂を出た
「・・・なんだったんだ?」
俺は車いすで講堂を出て
自分の病室へと帰った
「・・・検査じゃなかったのか?」
「うん。終わった」
俺の病室で
優雅にコーヒーを飲んでいる
川下の姿を見て、
1つ、ため息をする
「どこ行ってたの?
まぁ、どこでもいいけど」
「あ、川下知ってるか?
ピアノが上手い、俺くらいの・・・」
「あぁ、刹那[セツナ]のこと?」
「セツナ・・・?」
「そう。あの子も私達と同じ年。
私も少し話したことあるけど
絶対、話しかけたらダメだよ?」
「は・・・・・・?」