『僕』が交した約束



『私と美弥の

 触らないで』



は?

何のことだ?



ピアノを指さす女で、

やっと意味を理解する



「・・・あれは講堂の中にある。

 お前と川下だけのモノじゃねえ」



睨みながらそう言うと、

女は首を振った



そして、もう一度

自分が書いた触らないでの文字を

示しながら睨んだ



「・・・これは病院のモノだ」



「それは刹那のモノ。

 侑斗、触らないであげて」



そこに現れた、川下

苦笑いをしながら近づいてきた



「アンタは学習って言葉を

 知らないの?

 それともバカなの?」



「・・・どっちでもない」



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