『僕』が交した約束



「まさか侑斗がここにいるとは

 思いもしなかったけどね・・・。

 これは私の家にあったピアノ。

 病院に寄付したけど、

 ピアノ出来るのは刹那だけだから

 刹那のモノになってるのよ」



いつもと違い、

私服の川下が俺の車いすを

動かす



「だからケンカしないの!

 刹那も、そんなに怒らない」



川下がそう言うと、

女は渋りながらも

小さくお辞儀をした



「・・・俺も、悪かった」



「はい、なかなーおり!

 そして侑斗、そこから

 近づいてこないでね?絶対」



「・・・なんで?」



「刹那は男が無理なの。

 あと、《俺》って言うのもダメ」



「・・・・・・はいはい、

 わーったよ!」



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