『僕』が交した約束
「・・・よかった。
川下から聞いたことは
ちゃんと覚えてる」
全てを聞き終わって、
俺は小さく息を吐き出した
「よかったね。
まぁ、私の知らない所で
何かしていたとしたら
この確認も全く意味ないけどね」
小さく微笑みながら
川下は車いすを押し始めた
「それよりお前、
一回退院したんだろ?」
「あ、知ってたの?
一時的に帰れることが出来たの」
「そっか・・・良かったな」
「うーん、でも
完全に治ることはないからね」
明るく言うけど
なぜか少しさみしそうに聞こえた
川下の声
「・・・っつーか、何か言っとけよ
急に来なくなったからマジ焦った」
俺はこれ以上聞いたらいけない気がして
話を逸らした