『僕』が交した約束
ひらひらさせる編み物は
意外にも綺麗と言えるものではなかった
何でも出来る奴と
勝手に思ってたから
「・・・ヘタ」
「うるさい。
ところで何しに来たの?」
小さな冷蔵庫の中から
お茶を出して入れてくれる川下に
さっき決断したことを話してみた
「俺、美憂と別れようと思う」
「・・・・・・は?」
「なんか、俺・・・
刹那のことを好きになりそうだから
このまま美憂といるのも、
どっちにも悪い気がして・・・」
「・・・・・・で?」
キョトンとした顔で俺を見る川下
その顔を見て、俺もきょとんとした
「・・・何で私に言うの。
アナタがどうしようと、
私には関係ないことだと思う」
赤い目をした川下は
それだけを言うとまた編み物を始めた