『僕』が交した約束



「・・・いや、川下なら

 相談に乗ってくれると思ったから」



「相談ならカウンセラーにすれば?」



「・・・何か怒ってる?」



明らかに、何か違う



「・・・?怒ってないよ。

 ただ、私にその相談をしても

 答えは見つからないでしょ?

 どうしたいかは、自分で探さないと」



・・・確かに、今までしてきた相談は

川下に答えを求めるものだった



ただ、今回のは自分で決めていることだ



川下に相談したところで

どうにもならない



「・・・ごめん」



俺は小さくそう言った



「私に謝ることじゃないよ。

 それと・・・ちゃんとけじめつけろよ?

 どっちでもいいとか思ってるようなら

 どっちとも付き合うな」



これ、女の気持ち

と言いながら川下は笑った



「・・・お前、女か?」



「うるさい。

 こうみえても女ですー」



< 61 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop