Little-Noise―リトルノイズ―
「……っ!!」
俺は軽やかに地面を蹴る。
「……はっ!!」
両耳から流れる音波を感じたのを確認すると全力で音を飛ばす。
目の前の人形型測定器に向かって。
音は測定器に命中した途端、凄まじい爆発音を上げた。
「……さすがね、今年もぶっちぎりの一位よ」
別にそんなことは俺にとってはどうでもいいのだが…
「…ありがとうございます」
一応、お礼だけは言っておく。
今は能力測定の途中だ。
能力測定とは言わば俺たちの身体測定だ。
ただ特別なのはそれ+音力審査があるだけ。
そしてたった今行っているのが音力審査だ。
俺たちはこの音力審査によって毎年クラスが割り当てられる。
音力が高い方からA組、B組……となっていく。