Little-Noise―リトルノイズ―
「早く治してもらえよ。おそらくあの銃撃は威嚇射撃だ。わざと外したんだろうな…だが次はもう無いぞ」
香山が片手に俺に傷を付けたと思われる銃弾を持っていた。
……というか弾どんだけデカイの撃ってきてんだよ。ありゃ3cmはあるぞ。
当たったら完全に吹きどぶな…
現に職員室の一部が抉られている。
「……俺たちが戦うのか?」
さっき窓から敵を確認したが、相手は二人だ。
二人とも俺たちが破壊したロボットみたく大きくはなく形をしている。
「当たり前だろ。さっさと行ってこい」
いや、直感で分かるが相手は強い。
「俺はともかくこいつらはここで待機させててくれないか?」
これは俺が片付けることだ。錬太郎や未來を巻き込みたくはない。
「何辛気くさいこといってんだよ」
「そうよー。私たちも一緒に戦うよ」
と言ってくれるのは正直ありがたいがさすがにこれ以上しかも俺の友を巻き込むわけにはいかない。
それに敵は…。
「…大丈夫だ。お前以外の全員には事前にお前のことは話してある。それを含めてお前の力になりたいって言ってるんだ。行かせてやれ」
いつのまに…
俺を知っているのか…
「…よし。じゃあ二人とも一緒に戦ってくれるか?」
俺を知った上で「一緒に戦おう」という
この言葉の決意には敵わなかった。
「「当たり前じゃん!!」」
そして俺たちは戦場へと出たのだった。
香山の複雑そうな顔に見送られながら。