Little-Noise―リトルノイズ―
「…敵さん、動こうとしないな」
錬太郎が暇そうに呟く。
「…集中を切らすな。いつくるか分からない」
「へーい」
今は様子を見ているが錬太郎の言う通り敵は動こうとしない。
歩みを止めていた。
一人は長い黒髪を靡かせながら、
もう一人はなぜかメイドさん…。
でもメイドさんデッカいライフル持ってるよ…
さっき撃ってきたのメイドかよ……
あと黒髪の方は……
どこかで…。
「…やっぱこっちから行った方がいいんじゃね?とゆうか俺様がちゃちゃっと二人とも片付けてきてやんよ」
錬太郎は窓ガラスを割り外へと飛び出していく。
……思い出した!
あいつは俺がいた所の…!!
「ちょ、待てっ!!!錬太郎!!」
錬太郎を止める方が遅かった。
錬太郎はもう外へと出ている。
俺も急いで外に出るが、
クソッ!!
間に合ってくれ!!!
俺は外へ出ると即座に錬太郎を覆い、
音の波で障壁を作る。
ギィィイインッ!!
すぐさま大きな金属音が響く。
黒髪の方が一瞬にして攻撃を仕掛けてきたのだ。
「…チッ!!」
障壁が破れないと悟ったのか、
黒髪は俺に舌打ちをしてから一定の距離をとった。
そして敵との距離が近くなった今、顔が認識できる。
黒髪の女は俺の知っている顔だった。
「やっとお出ましかい。滋瑠」
「…やっぱりお前か…醒燐」