Little-Noise―リトルノイズ―
━━麻登水 滋瑠━━
校庭から姿を見せたのは俺と過去に接触のある醒燐だった。
昔の面影が残っているがその黒髪はだいぶ伸びている気がする。
「…久しいな。滋瑠。お前を殺そうと楽しみにしてたんだ」
ニヤニヤしながら近づいてくる醒燐。
「……そうだな。お前はまだ【あの場所】にいるのか??」
「いるさ。私はお前みたいに裏切りはせんからな」
その言葉に若干にも顔を暗くしてしまう。
……ダメだダメだ!!集中しないと殺される。
一度、気を引きしめ敵を観察する。
手には武器らしいものは見当たらない。
ならば、さっきの攻撃はどうやって…
確かに何かしらの攻撃はあったはずだ。
俺の障壁を破壊しかけたんだから…
「……ただ私は斬っているだけだよ」
醒燐はそう答えると突如姿を消した。