Little-Noise―リトルノイズ―
「…なっ!!」
速いッ!!
醒燐が一気に俺との距離をつめてきた。
俺の視界に醒燐のうっすらと笑っている顔が入り、ゾクッと寒気を感じた。
「…こんな感じに、なっ!!」
醒燐は何かを振りかざした。
ビュッと風を切る音。
俺は反射的にそれを大きく仰け反り避ける。
また醒燐と距離をとる。
やはり何かは持っているのか。
目に見えない何か、か…
「よく逃げるな。お前は。…ところで私の攻撃については何か分かったのか?」
逃げてねーよ。
俺は近距離が苦手なだけだ。
「…分からねぇよ。目に見えないんだからな」
「まぁそうだろうな。私の武器は目で確認することは出来ない。だったらどうするのだ?」
「…決まってんだろ。俺が死ぬ前にお前をブッ飛ばすだけだ」
滋瑠は声には出さすsoundを発動させる。
Speed on Noise
それによって一気に足が軽くなる。
「…そうかい」
滋瑠と醒燐は同時に地を蹴った。