それでも僕は-Loving you is continued.-
その時俺を睨んでいた女が
近付いてきた。
"なんだこいつも誘いた
かっただけなんだ"
そう解釈した俺は怪笑を
浮かべてその女を待った。
「あんたさ、そういう
女遊び止めれば?」
近付いてきた女が
言ってきたのは俺の予想とは
遥かにに違ったものだった
「え?」
「しかもあんたあたしが
誘いにきたと思ったん
でしょ?バカじゃない
の?笑」
ふっと鼻で笑われて
俺は持っていたグラスを
落としてしまった。
「別にそんな事思って
ないし。しかもあんた
に関係なくない?」
俺も負けじと言い返す。
「あっそ。」
そこに酔った
智弘が入ってきた。
「お前等なに
喧嘩してんの?」
「喧嘩なんてしてないわ
この人が悪酔いしてた
だけ」
"この人"と俺を指差して
言う憎たらしい女
「おぃ~。龍也!
こいつ俺の女だから
あんま虐めないで♪笑」
智弘が"俺の女"と言った時
一瞬憎たらしい女の顔が
哀しそうな表情になった
のは勘違いだろうか…
「わかったよ。てか俺
虐めてねえからなっ
お前の憎たらしい女が
突っかかってきたの」
「あたし憎たらしい女
って名前じゃないし」
また突っかかって
きやがった。
「だって俺名前
知らないもん」
口を尖らせて
可愛らしく言ってみる(笑)
「キモっ。
あたしの名前はね~
さやか!」
「龍也!よく覚えとけ
さやかは俺の女
絶対手出すなよ」
どういう意味の
俺の女なんだかね(笑)
はいよと返事をしつつ
さやかの智弘への
表情が気になったが
あえて触れはしなかった。