アルガドート・サーガ
ユラはころころと鈴のように笑うと、窓の外に視線を移した。

「……私のカルティアは、滅んでしまったの?マドリード」

寂しげな横顔を見つめた二人は、静かに頷きあった。

「はい……私たちも、ユラさんのことは文献で。古の大悪魔に敗れたカルティアの姫巫女は、永き眠りにつき、今もアルガドートの呼び声を待っている、と」

「そっか……。だから、かな。眠っているときに、あなたの声が聴こえた気がしたの」

ユラは寂しげに微笑むと、暫く窓の外を眺めていた。
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