私だけの王子様




「キャっ」

大きく揺れた草木から何かが飛び出した。

びっくりしてあたしは目をつむり、背中を丸めてしゃがみこんだ。



た、助けて!



…………



「あれ?」

何もない?

目を開けるとあたしの足元にフサフサした子犬が舌を出して見上げていた。

「犬?」

なんでこんなとこに…

子犬を見つめているとまた草木が大きく揺れ次は男の人が出てきた。

「ポンタ!待てって言っただろう!」

男の人は子犬を抱き上げ、あたしを見つめた。



「あ、もしかしてポンタがご迷惑かけましたか?」





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