私だけの王子様
あたしはしゃがみ込んでわんちゃんの頭を撫でた。
「ポンタが身内以外で気を許すなんてなかなかないよ」
「そうなんですか?可愛いー」
「わんちゃん好きなの?」
彼もしゃがみ込んであたしを見た。
「はい。小さい時に飼ってたわんちゃんと名前も犬種も一緒で」
「ポンタなんだ!偶然だね!俺の初恋の子の家で飼ってた犬もポンタでついつい付けちゃったんだ。」
「そうなんですか?男の人ってやっぱり初恋は特別なんですね」
「んー、なんでだろうね。やっぱ思い出しちゃうんだよね。心の片隅には……って俺なに語っちゃってだ」
不審者だと思ってる人となんでこんな楽しく喋ってるんだろ?
けど、なんだか思ってる人と違って
話しやすくて楽しくて。
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