私だけの王子様




家を出て少し走るとリョーガくんとおばさんが手をつないで歩いている。



「リョーガくん!」

振り絞って出した声
リョーガくんは振り返り

「笑ちゃん!」

嬉しそうにあたしのとこまで走って来てくれた。

「家に引きこもってたから、もう会えないかと思った」

「だって最後だと思ったらね、悲しくて」

また泣きそうになるあたしの頭をリョーガくんは優しく撫でた。

「最後じゃないよ。大きくなったら迎えに行くよ」

「本当に?」

「うん!約束したでしょ?笑ちゃんと結婚するって」

「うん!」

あたしは笑って頷いた。




.
< 3 / 17 >

この作品をシェア

pagetop