私だけの王子様
家を出て少し走るとリョーガくんとおばさんが手をつないで歩いている。
「リョーガくん!」
振り絞って出した声
リョーガくんは振り返り
「笑ちゃん!」
嬉しそうにあたしのとこまで走って来てくれた。
「家に引きこもってたから、もう会えないかと思った」
「だって最後だと思ったらね、悲しくて」
また泣きそうになるあたしの頭をリョーガくんは優しく撫でた。
「最後じゃないよ。大きくなったら迎えに行くよ」
「本当に?」
「うん!約束したでしょ?笑ちゃんと結婚するって」
「うん!」
あたしは笑って頷いた。
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