僕らの空色
鉄棒には学童保育に通ってる子達が既に集まっていた。

俺と一緒に働いているタケル君とミチ子さんもそこにいた。

「シュウ君はもうマコト先生を捕まえたのね。」

俺の手をギュッと握ってる彼に微笑みながらミチ子さんが言うと彼は自慢気に大きく胸を張っていた

「でも、独り占めは駄目よ。」

クスッと笑って彼女は彼の頭を優しく撫でた

生徒達はきゃっきゃっ騒ぎながら鉄棒で遊び、しばらくすると各々がやりたい遊びに移っていった

「先生ー!みてみてー!」

彼が逆上がりをしていた

どうやらそれを見せたかったらしい

鉄棒から降りた彼は俺に抱きつき

「凄い?ねぇ、凄い?」

と凄んできた

俺が凄い凄い!と大袈裟に言うと彼はホッペを真っ赤にして喜んでいた。

そして俺の隣にちょこんと座った

俺たちの目の前では男の子達が野球をしていた

「シュウはやらないの?」

「うん…僕下手くそだから」

「やらなかったら下手くそのまんまだぞ?いいのかそれで?」

「…だって」

地面を見つめる彼

「やりたくないのか、やりたいのか…どっち?」

「…やりたい」

「よっしゃ!じゃあ、やろーぜ!」

彼は俺の顔を眼を丸くして見つめた

俺は思いっきりハニカミ彼の手をとった


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