桜唄*大好きな君に贈る唄*
*桜水*
私たちは私の家へと向かって歩いていた。
「…………」
「〜〜♪〜♪〜〜♪」
「……なぁ」
「〜♪んっ??なぁに??」
「鼻歌止めろ…ちょっとうざったい」
「えーーーいい気分なのに……」
「知らねえよ!!!」
「はいはい辞めますよ!!!」
意地悪いうけど
私の歩く速度に合わせて歩いてくれる。
小さな優しさがあるから憎めない。
「つかさ、もっと早く歩けない訳??」
「なっ!!!!これが精一杯です!!!!」
「亀かよ(ボソッ)」
「今何か言いましたか???(怒)」
「別に何も……」
むかつく!!!
絶対に何か言ったよね!!!
そんな言い合いをしてるうちに
家にたどり着いた。
「着きましたから帰って平気です。さようなら。」
「…………」
何か…見られてる??
「な……何か用??」
「お前の家って小さいな(笑)」
「はぁ?!?!どこが??でかいとは言えないけど小さくないもん!!!!」
「嘘だよ(笑)んじゃまた明日な♪♪」
「バーカ!!!!」
私は勢いよく家の中へ入って行った。
「ただいま!!!!!」
「おーおかえり夢姫♪♪」
「おかえりなさい今日の夕飯は夢姫の好きな食べ物だよ♪♪」
「オムライス!!!!やったー♪♪」
「早く着替えて食べようぜ!!!!」
「はぁーい!!!」
私の家は両親が居ない。
交通事故で亡くなってしまった。
即死だったそうだ。
私は小さかったから良く記憶に無いけど
悲しいとかは余りない。
大好きなお兄ちゃん達が居てくれるから。
「高校はどうだ??楽しいか??」
「高校は楽しいよ!!!那美とも同じクラスになれたし♪♪」
「那美ちゃんと一緒か!!!良かったな!!!!」
「クラスには慣れそう??夢姫は小さい頃から人見知りだからね……」
「ちょっと聞いてよ!!!陸兄、空兄!!!!」
「んっ??何だ??陸兄ちゃんに言ってみろ??」
「どーしたの??夢姫??」
「クラスに横尾って言う男子が居るんだけどね!!!」
「同じ名前の男子ねぇ……で??」
「そいつとクラス委員になっちゃったの!!!」
「クラス委員?!凄いじゃないか!!!夢姫」
「凄くないよ!!!そいつめっちゃ意地悪なの!!!!!もうむかつく!!!」
「なにーー!!!!俺の夢姫に意地悪だと!!!けしからんな!!!!!」
「陸…落ち着けよ……でも夢姫」
「何??空兄」
「本当に嫌なら先生に言ってやるの辞めなさい。」
「………」
「先生だって言えば次の人に頼るでしょ??無理に夢姫がやることはないんだよ??」
「うん……わかってる……けど」
「けど??」
「…………やっぱりなんでもない!!!ごちそうさまでした。2階に居るね!!!!」
「あっおい!!!夢姫!!!!」
「責任感強いからな……夢姫」
「あー母さんに似て……な」
「ちょっと良く見てないとな、陸」
「そうだな……」
「父さん達が居たらどーするかね……」
〜2階の夢姫部屋〜
「……はぁ………」
お兄ちゃん達の言う通りかも知れない
嫌なら先生に言って辞めればいい……
でも本当にそれでいいのかな??
任されたのに辞めていいのかな??
あいつは確かに嫌だ
意地悪ばかりだし
だけど優しかったりして憎めない。
どうしたらいいのかわからない。
「……………ぅああああもう!!!!!!」
お母さん、お父さん
私、どーしたらいいの??
わからないよ……
「あー泣けてきた(泣)」
コンコン
「??はぁーい」
「夢姫??入るよ」
「………空兄」
「大丈夫か??」
「うん、とりあえずはね……」
「夢姫は母さんに似て責任感強いから任されたら頑張ってやらないとって思うのかもな」
「えっ??お母さん責任感強いの??」
「かなり強いよ…母さんに頼み事余り出来なかったぐらい強い(笑)」
「そーなんだ……」
「……あんまり悩みすぎるなよ」
「…………」
「兄ちゃん達がついてるから何かあったら相談でも何でも言えよ」
「……うん、わかった」
お兄ちゃん達は優しくて頼りになるけど
迷惑はかけれない……
大好きだけどかけたくないよ……
この日私は悩んでも仕方ないから
寝ることにした