オリゾン・グリーズ



「ハルト、これが俺の相棒だよ」



「だから略すなと…」



「ローラントっていうの」



「……はあ」




そこは常識人の所為か、名前を紹介されたのでとりあえず会釈をしてみると、赤髪の青年は同じように会釈を返してきた。


どうもどうも、なんて吹き出しに書きこんだらもう言いようがないほど間抜けになる。



「君も魔術師の類なのか?」



「ローラントは魔法使いさんだよ」



「おいこら、『さん』ってつけるんじゃねえ、ファンシーに聞こえるだろうが」



「存在自体がファンシーじゃないの」



「うるさいな」



「いだだだだだだだだっ、痛い痛い痛い、ちょ禿げるって、離して!」



ノエルの結わえられた蒼髪(ローラントいわく尻尾)がぐいぐいと容赦なく引っ張られた。



実はこいつら仲が悪いんじゃなかろうか…という一抹の不安がクリストハルトの脳裏に過ぎる。




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