オリゾン・グリーズ



「お前がクリストハルトだな」



「…そうだが」



その偉そうな態度どうにかなんないのか躾のなっていない餓鬼め、という文句はこの際喉の奥に沈めておく。


ステンドガラスの破片がまだいろんなところに付着していて、その姿はきらきらと光っていた。


いや断じてときめいているわけではない。




「連れがどうやら失礼をしたらしく申し訳ない」



「いや、失礼…と判断しかねるが…」



「気に触れるようなことを言われたから騎士団に突き出したんだろう、その点は謝らなければならないことだ。

けれども、おそらくこのバカから聞かされた未来日記は本当に起きることだ、お前がこのまま歴史を進めれば、だが。

俺達は諸事情より、なんとしてもそれを回避しなければならない」




「…それはさっきからその男によくきいた。

だが、到底信じられる話ではないのはわかってはくれまいか」



「その点は理解している。

だが此方も実行しなければならないからな、最終的にお前が従ってくれないのなら実力行使をせざるを得ない」



「実力行使?」



「攫ってでもお前の入団を阻止させてもらう」




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