人気モデルなおの正体。
自分が表紙の雑誌を持ってキャピキャピはしゃぐ女子。
ブーっと携帯が鳴った。
事務所と書いてあった。
急いで教室を出てひとけのない廊下でかけなおした。
『今日5時からクルーモの雑誌撮影入ったお☆』
「5時…か。おっけ、わかった」
厳しいけど仕方ないか。
教室に戻ると運悪くキャピ女のひじにぶつかった。
「あっごめーん」
黙って席に戻ったら、キャピ女の陰口が聞こえてくる。
「くっらー」
「ごめんぐらい言えよー。つか、声聞いたことある?」
「いやむしろ名前知らないし」
「ひっどー」
ケタケタ笑って、こっちを見ている。
知らない振り。
俺が嫌いなのは、女のああいう態度。
見た目で全部決めて、
雑誌の俺がぶつかって黙ってどっかいっても
キャイキャイしてるんでしょ。
「落ちたよ」
近くで女子の声がした。
まさか俺に話しかけてる?