人気モデルなおの正体。


自分が表紙の雑誌を持ってキャピキャピはしゃぐ女子。



ブーっと携帯が鳴った。


事務所と書いてあった。
急いで教室を出てひとけのない廊下でかけなおした。




『今日5時からクルーモの雑誌撮影入ったお☆』

「5時…か。おっけ、わかった」


厳しいけど仕方ないか。



教室に戻ると運悪くキャピ女のひじにぶつかった。



「あっごめーん」


黙って席に戻ったら、キャピ女の陰口が聞こえてくる。



「くっらー」

「ごめんぐらい言えよー。つか、声聞いたことある?」

「いやむしろ名前知らないし」

「ひっどー」



ケタケタ笑って、こっちを見ている。
知らない振り。



俺が嫌いなのは、女のああいう態度。



見た目で全部決めて、

雑誌の俺がぶつかって黙ってどっかいっても
キャイキャイしてるんでしょ。




「落ちたよ」




近くで女子の声がした。

まさか俺に話しかけてる?


< 5 / 15 >

この作品をシェア

pagetop