人気モデルなおの正体。
「これ、谷口君のでしょ?」
「あ…」
そこにはクラスメイトの木山が
俺の黒のシャーペンを持って立っていた。
「ありがとう…」
ニコニコと笑う木山の手からシャーペンを取ると、
木山はどこかへ行ってしまった。
木山優実。
ミディアムくらいの黒髪で
明るくてフレンドリーなので男女ともに好かれている。
そういう性格だから
きっとこんな俺にも話しかけてくれたんだろう。
それに名前も覚えていたなんて、
かなりのお人よしだと思う。
「えー優あいつに話しかけたの?」
「うん?だってシャーペン落ちてたし」
「愛想悪いでしょー」
「普通だったよ?みんな言い過ぎだよー」
キャピ女に笑顔で対応する木山。
「いい人すぎでしょ優ってばー」
「優にひいきしてんじゃない?」
してないしてない。
ここまでその会話が聞こえてるとも知らずに
話を進めている。
割と聞こえてるもんだよ