幽霊さんの日常手記
Autumn night
『…あは、あはは、』
「…秋、夜?」
「……、」
叫びが止むと同時に笑いだす秋夜に、架名は無言で近付く。
秋夜も気付いたのか、笑うのを止めただ架名を見つめた。
架名は、そのまま秋夜に話しかける。
「何で死んだ」
『死ねと言われたから?』
「未練は」
『無いよ』
「…なら、もう良いだろ。」
『うん。』
聞こえた会話はそれだけ。
後は、此方からは聞こえて来なかった。
段々透けていく秋夜。
表情を崩さず眺める架名。
呆然と座り込む千尋。
パサ
何かを落とし、秋夜は居なくなった。
物語は此処からだと告げるように、笑顔で。