幽霊さんの日常手記
letter
『[ 千尋へ
これを読んでるって事は多分僕は居なくなってるよね。
たった数時間だったけど、一緒で嬉しかったし楽しかった。
私の未練は、多分最後に助けようとした人がどうなったか確認したかった…それだけだと思う。
後は…まぁ、言わない。書かない。悟らせるか馬鹿。
じゃあね、ばいばい。
秋夜]』
ポタ、ポタ
「何だよ、これ…」
たった数時間。
それだけでこれ程無くなった反動が大きい物は無いだろう。
俺は手記を机に置き、もう一度涙を流した。
「俺、お前の事、この数時間を忘れないからな、」
誓うように、そっと。