幼なじみ
携帯を見ると確かに後少しで花火が上がる時間だった。

『よくわかったな。』

「だって腕時計してるもん。」

瑠璃は、僕に時計を見せてくれた。

『でもなんかその時計、子供っぽくないか?』

「そうかな?」

『ああ、なんか……、いやなんでもないよ。』

思わず似合ってないと言いそうだったのをなんとか飲み込んだ。
瑠璃は、僕の様子を見ながらそっと言った。

「これは、私の大好きな人から貰った物なの。」

『そうか……、じゃあ大切にしとけよ。』

なぜだか僕はその時、胸の奥が痛くなった。
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