君のいる世界
昼休み。
私はお弁当箱を持って生徒会室に向かった。
ここの食堂は、学校にもかかわらず、フレンチやらイタリアンやらの高級料理が並び、昼休みは沢山の生徒で溢れかえる。
混雑した食堂も、学校なのに高級な学食も好きじゃないし、かと言って教室や中庭で食べてると色んな人が話し掛けてくるからゆっくり出来ない。
だから、一年の頃は屋上や空き教室、体育館裏と毎日食べる場所を変えていた。
だけど、今年からは生徒会室が使える。
生徒会室には生徒会委員しか入れない。
生徒会委員だって、昼休みまでここに来ようとは思わないだろう。
「…え……誰…?」
生徒会室に入ると、二人掛けのソファに誰かが寝てるのに気付いた。
室内を見渡すと、会長の机に鞄と弁当箱が置いてある。
うわっ、会長だ…
最悪、やっとゆっくり過ごせると思ったのに…
起きる前に出て行くのが賢明そうだ。
忍び足で扉に向かい、取っ手に手を掛けた、その時ーー。