君のいる世界
毎朝同じ時間に起きて、鎧のように重い制服に袖を通す。
イタリア製の無駄に大きい机で一人、朝からカロリーの高いフレンチの朝食を済ませた。
玄関を開けると専属運転手がベンツの横に立ち、
「おはようございます、お嬢様」
そう言って頭を下げ、後部座席のドアを開けてくれる。
学園に到着すると直様男女問わず人が集まり、私を囲い込む。
「今夜お食事でも如何ですか?」
「ごめんなさい。今日は先約があるのでまたの機会に」
「今週末パーティーを催しますの。是非いらして下さい」
「ええ。予定を調整させますわ」
私は無理矢理笑顔を作り、当たり障りのない受け答えをしてその場を凌ぐ。
毎日毎日、この繰り返し。
くだらない、退屈な日々。