君のいる世界
恋する女の子は無敵
翌朝、遮光カーテンの隙間から差し込む朝日の光で目が覚めた。
カーテンを開けると真っ先に飛び込んできたのは、透き通った青空と自由に飛ぶ数羽の鳥の群れ。
そして車庫の前ではいつも通り康君が車の手入れをしている。
私は両腕を背伸びをするようにぐっと伸ばし、大きく深呼吸をした。
今日は昨日みたいに逃げたりしない。
私の無責任な行動でおじさんやトミさん、康君にも沢山迷惑を掛けてしまったから。
ちゃんと話し合おう。
康君とこんな風に気まずいのはもう嫌だ。
それに昨日のこと、ちゃんと謝るってトミさんと約束したし。
もう一度窓の外に視線をやると、康君が私に気付いてこっちを見上げている。
切なげに口元を綻ばせていて、その表情に何故だか胸が苦しくなった。