君のいる世界




そっか…叫んでるところを見られてたんだ…


ってことは、最初から山下さんには私がお嬢様を演じてることなんてバレバレだったんだ。



でも、私が“演じてる”だなんて、これまで噂も何もなかった。


私が叫んでた内容だってそう。


何一つ、周りにはバレてない。



山下さんは、本当に誰にも言わないでいてくれたんだ…




「なかなかこの学園に馴染めなくてね…私、ここの附属中学の出身じゃなくて外部入学だから。人見知りもするし、中学から仲が良い皆の輪の中に入れなくて…」



「なんか意外だな。変な意味じゃなくて…いい意味で山下さんは誰とでも仲良く出来そうに見える。社交的というか」



「よく言われる。だけどこう見えて本当は凄く凄く臆病者なのよ」



そう言って、彼女は優しい笑顔を向けた。




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