君のいる世界
「そしてこの間、仕事で麗奈さんの学園の前を通った時見たんです。あなたは友達と楽しそうに笑っていました。目が釘付けになるとはこういう事なのかと思いました」
さっきよりも顔を真っ赤に染めた直幸さんは、私の目をジッと見つめてくる。
その熱い瞳に吸い込まれそうで目が離せない…
「麗奈さん。僕と結婚を前提にお付き合いして頂けませんか?絶対に幸せにします。それがまだ早いと言うならお友達からでも構いません。お願いします!」
直幸さんは深く頭を下げる。
「あ、頭を上げて下さい!」
「いえ、お返事を頂けるまでは出来ません!」
「わかりましたから。だから頭を…「「ホントですか!?」」
勢いよく頭を上げた直幸さんは嬉しそうに、まるで子供のような笑顔をしている。
そんな彼が可愛くて思わず笑みが漏れた。
「ふふふ」
「え…あ、すみません。つい…嬉しくて取り乱してしまいましたね…」
そう言って直幸さんは後頭部を掻きながら苦笑いを浮かべた。