君のいる世界
その夜からずっとあの二人の仲睦まじい姿が頭から離れない。
机に向かっても、文法も数式も頭に入らない。
料理は焦がすし、皿は割るし…
終いにはバイトにも身が入らずミスばっかして迷惑を掛けてしまった。
「中澤!!今日はもう帰って頭を冷やせ!!」
何やってんだ、俺は…
ホント、情けねぇ…
俺は休憩室でスタンドの帽子を握り締めた。
ーーーーーーーーーー・・・・
SHRの始まりを報せる鐘が鳴り響いた。
俺は気怠い身体をゆっくりと起こしてソファから降りる。
本当ならこのまま帰ってしまいたい。
学園にいたら聞きたくもないあの噂を耳にする事になる。
だけど、立場的にサボるわけにはいかない。
生徒会長としても学費全額免除対象者としても。