君のいる世界
Period*5
さようなら
「麗奈ちゃん!俺、生姜焼き弁当ね!」
「はい!いつもありがとうございます!」
私は注文を厨房に伝え、会計を済ませる。
出来たての弁当を袋に入れて渡すと、お客さんは「じゃ、またな!」と手を挙げて笑顔で店を出て行った。
「麗奈。琴音ちゃんと休憩行ってきて」
「はーい!!琴音ちゃん、行こ!」
私と琴音ちゃんはコートを羽織り店を出た。
街はクリスマスムード一色。
弁当屋の中はツリーや装飾品で彩られ、レジに立つ従業員はサンタの赤い帽子を被っている。
商店街はどこからかクリスマスソングが流れ、アーケードにはメリークリスマスと英語で書かれた幕が垂れ下がっていた。
私達は店の近くにあるファーストフード店に入り、注文してから窓側の席に腰を下ろす。
「麗奈さんはクリスマス、お兄ちゃんと何処か行くんですか?」
琴音ちゃんはニヤニヤと顔を緩ませながら、やや前のめりになって言った。