君のいる世界
この人に、私の大事な人達をくだらないなんて言われたくない。
私にとったら、一番くだらないのはあなたの方よ…
だけど、今の私にはそんなこと言う資格はない。
「申し訳…御座いません」
「ふん。わかれば宜しい」
祖母はもう話は終わりと言わんばかりに秘書が持ってきた書類に目を通し始めた。
「ひとつ、宜しいですか?お父さんは今回の本条グループとの事知っているんですか?」
「…当然でしょう?」
「そう…ですか…」
私は祖母にお辞儀して応接間を後にした。
少しだけ…
もしかしたらお父さんが止めてくれるかもしれないなんて思った。
だけど、淡い期待もすぐに崩れ去ってしまった。
やっぱりあの人は祖母の息子、そういう人間なんだ。
私、馬鹿みたい…