君のいる世界
「それ、本気で言ってんのかよ…?」
喉の奥から絞り出したような掠れた声に、思わず息を呑んだ。
「ほ…本気、だよ。だからもう、私に関わらないで」
私はそう言うと大輝を見ずに公園を後にした。
大輝から見えなくなるまで振り向きも走って逃げもしないで…
私、ちゃんと鬼になれてたかな。
大輝は私のこと…嫌いになったよね?
これで良かったんだよね…?
目には薄っすらと涙が滲む。
だけど、私は泣かないって決めたから…
涙を飲み込むように空を見上げる。
息をつくと、白い息がスーッと舞い上がっていった。